【災害支援】”スマートサプライ”を利用した”軽トラ無料貸し出しプロジェクト”
軽トラックが足りない…借りづらい
豪雨災害後最初に始まったのが、浸水した家屋、建物の片付け作業。泥だしの作業と並行し、災害ゴミをゴミの収集場まで運ぶという作業を何度も繰り返す作業が始まりました。しかし多くの被災者は車が流されたり、水没して使えない状況で、親戚や友人、知人に軽トラックを借りられないか交渉。借り手が見つかっても、長期間は借りづらい、借りられない、と大変苦労されていました。
オートメッセさんとのタイアップ
「車、特に軽トラをなんとかせねば……」と考えているとき、SNSで益城町のオートメッセの住永さんの活動を知りました。
「おクルマ、無料でおかしします!」。なんてすごい看板!すぐに写真にあった番号に電話しました。
オートメッセの住永栄一郎社長とお話し、一般社団法人スマートサバイバープロジェクトによる支援プラットフォーム「スマートサプライ」で、全国から支援を集め、無料貸し出しを住永さんの無理のない形で行いたいと相談しました。熊本地震のときにも活躍された住永さんは「やりましょう」と快諾頂きました。
『スマートサプライ』とは?
さて、今回の軽トラ無料貸し出しの資金源として採用したスマートサプライとはどんなものでしょう。
スマートサプライは、東日本大震災をきっかけに代表の西條剛央さんが作った「必要な支援を必要な人に必要な分だけ」届ける仕組みです。これは、集まりすぎる支援物資の扱いや保管に困る状況を避け、支援物資のジャストインタイム方式のようなものです。さらによいことは、被害をうけなかった現地の経済にも貢献できること(現地調達)です。
多くの方にサポートしてもらいながら、ウエブの構築と、現場のオペレーション、スマートサプライの画面設定、現地での軽トラの手配、貸出しのオペレーション、告知の方法、ロゴマークの準備など1週間ほどで準備を完了。
スマートサプライの活動状況がメディアやSNSを通じて拡散されると、個人だけではなく団体からの支援の輪も広がりました。(国際ロータリー第2720地区(大分熊本)~硯川昭一代表、日本カフスリンク協会~大野一美代表理事、ロサンゼルスのヨガクラス団体~カナ·カイ·ジョーンズ代表、テラ·ルネサンス~鬼丸昌也代表、など··)
また、スマートサプライを利用することで、あとでまとめてお礼ではなく、リアルタイムで発信。その場ですぐに支援してくれた方にフィードバックすることが実現しました。
●スマートサプライで実施した3つのプロジェクトのURLは以下です。(※支援募集は終了しております)
①軽トラ・無料レンタル支援プロジェクト
https://smart-supply.org/projects/hitoyoshi-20200704/5f0c4a7034fdda0006ee150b
②災害支援者の安全と健康を守るプロジェクト
https://bit.ly/CooloingProject
③心に注ぐエネルギープロジェクト
軽トラ無料貸し出しプロジェクト始動!
7月15日からスマートサプライを通して支援の募集を開始、19日深夜に3台の軽トラが到着。20日から無料貸し出しをスタートし、徐々に車の台数を増やし、8月18日時点で、10台のトラック(軽トラ9台、ダンプ1台)が稼働しました。(9月末まで継続中)
●動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?time_continue=21&v=Sd4EjbbYZgI&feature=emb_logo
https://www.youtube.com/watch?time_continue=121&v=l32V3AIzMyY&feature=emb_logo
多くのメディアに取り上げていただきました
メディアの目にもとまり、NHKの朝イチで全国放送されたあとは、ものすごい勢いで支援の我が広がりました。
そのほかにも新聞、テレビなど多くのメディアで取り上げていただことで、スマートサプライの周知にも繋がりより多くの支援(寄付)をいただくことができました。福井県、千葉県、遠くはアメリカからの支援も。これによりプロジェクトの継続が可能となりました。
(プロジェクトは2020年9月末にいったん終了)
まとめ
今回、スマートサプライという仕組みを利用して、わかったことは、災害支援においては、情報の共有化、見える化が大事だということです。
どんなニーズがあるかを明確にし、どのように役立っているかを発信し、支援する側もされる側も、サイトを通じてリアルタイムに繋がれる仕組みが大切です。その意味で、スマートサプライは、とても有効でした。(https://smart-supply.org/timelines/20200704 )
なお、今回の人吉災害復興支援プロジェクトは、必要に応じてまた復活させることも考えています。
現時点で、ニーズがあがっているのは、大型の雑袋(トン袋、1トン入る袋)のようです。また、飲みものについても、引き続き需要がありそうです。
ニーズとシーズと支援の輪をつなげていきます。情報をお寄せください。